中性脂肪を下げる食事とはどのようなものか

中性脂肪を下げる食事は5つのポイントを押さえて考えればOKです。

 

  1. 適正なエネルギー量を摂取する(食べ過ぎないようにする)
  2. 脂質は飽和脂肪酸を控え不飽和脂肪酸を多めに摂る(特にn-3系多価不飽和脂肪酸が重要)
  3. 食物繊維をしっかり摂る
  4. 糖質を控える
  5. アルコールを控える

 

では、それぞれのポイントを詳しく説明していきましょう。

 

適正なエネルギー量を摂取する(食べ過ぎないようにする)

 

食べ過ぎている男性

 

簡単に言うと、食べ過ぎない&食べる量を減らすということです。

 

なぜそうする必要があるのでしょうか?それは、適正な体重を保つためです。

 

体重と中性脂肪は正の相関関係があります。

 

つまり、体重が増えると中性脂肪が増え、体重を減らせば中性脂肪も減るということです。

 

食べ過ぎることなく、標準体重(理想体重ともいいます)を維持する食事量にすることが大切なのです。

 

 

●STEP1:自分の理想体重は何Kgなのかを知ろう

では、まず自分の標準体重(理想体重)がどれぐらいなのか調べてみましょう。

 

標準体重(理想体重)は次の計算式で求められます。

 

標準体重(理想体重)= 身長(m) X 身長(m) X 22

 

例えば、私の身長は170cmなのですが、その場合、1.70(m) × 1.70(m) × 22 = 63.58となり、標準体重(理想体重)は63.58kgとなります。

 

あなたの標準体重は、現在の体重と比べてどうでしょうか?標準体重よりも重い方は体重を減らさなければなりませんね。

 

その場合、食べ過ぎている可能性が高いので、摂取エネルギーを減らす必要もあるかもしれません。

 

標準体重と同じ方は、その体重よりも増えることがないように、食事での摂取エネルギー量を把握して、食べ過ぎないように気を付けましょう。

 

 

●STEP2:適正な摂取エネルギー量を知ろう

では、次に標準体重を保つための、適正な摂取エネルギー量がどれぐらいになるのか調べてみましょう。

 

自分の「必要エネルギー必要量=適正な摂取エネルギー」を知る目安になります。

 

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」に基づき、自分の標準体重を使って推定エネルギー必要量の算出する場合、次のようになります。

 

推定エネルギー必要量=基礎代謝基準値(kcal/)×標準体重(kg)×身体活動レベル

 

基礎代謝基準値は次の通りです。

年齢 男性 女性
18〜29歳 24.0 22.1
30〜49歳 22.3 22.7
50〜69歳 21.5 20.7
70歳以上 21.5 20.7

*日本人の食事摂取基準(2015年版)より抜粋したものです。

 

身体活動レベルは次の通りです。

身体活動レベル 指数 日常生活の内容
低い(T) 1.50 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
ふつう(U) 1.75 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
高い(V) 2.00 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合

*日本人の食事摂取基準(2015年版)より抜粋したものです。

 

先ほど計算した標準体重と上記の数値を使って計算してみましょう。
私の場合を例に見てみましょう。
身長が170pで38歳、デスクワーク中心の仕事で、生活の大部分が座位で、軽い運動すらしな い(していなかった)ような男性の場合、1日の適性な摂取エネルギーは以下のようになります。

 

  基礎代謝基準値(kcal)×標準体重(kg)×身体活動レベル

 

     22.3kcal × 63.58kg × 1.5 = 2127kcal

 

中性脂肪が高い方は、おそらくエネルギー必要量に比べて、摂取エネルギー量の方が多くなっている方が多いと思います。つまり、「食べ過ぎ」ですね。

 

カロリー計算なんて・・・と思う方は、まずは意識 して摂取カロリーを減らすといいでしょう。

 

例えば、毎回ご飯をおかわりしている人はそれを止めるとか、今まで食べている量を半分に減らすることから始めてもOKです。

 

まずは、「食べ過ぎない」というこことが大事です。

 

 

脂質は飽和脂肪酸を控え不飽和脂肪酸を多めに摂る

 

お魚中心の食事

 

脂肪は「飽和脂肪酸を控えて不飽和脂肪酸多めに摂る」っていうけど、具体的には何を控えて、何を多めに食べればいいのでしょうか?

 

簡単に言うと、「お肉ではなくお魚中心の食事にするといいですよ」ということになります。

 

その理由を詳しくご説明したいと思います。

 

まずは、脂質の種類からご説明しましょう。

 

●脂質にはどんな種類があるの?

最近は「エゴマは体にいい」とか「アマニ油が健康にいい」とか、雑誌やテレビの健康番組などで、油について紹介されることが多くなりましたね。

 

油といっても全て同じではなく、成分などに違いがあることが知られるようになり、油の種類で選ぶ方も増えていると思います。

 

脂質(油)にはどんな種類があるのでしょうか?

 

脂質は「脂肪酸」で分類されます。

 

まず大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つの脂肪酸に分けられます。

 

飽和脂肪酸は動物性脂肪に多く含まれ、不飽和脂肪酸は植物性脂肪や魚油に多く含まれています。

 

また、不飽和脂肪酸は「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」の2つに分類されます。

 

さらに、「多価不飽和脂肪酸」は、「n-6系多価不飽和脂肪酸」や「n-3系多価不飽和脂肪酸」に分類されます。

 

これらの脂肪酸は、それぞれ体の中での働きも違います。

 

・飽和脂肪酸 ・・・ お肉・バター・ラード・全乳で作られた乳製品など
・不飽和脂肪酸 ・・・ 植物性の油・イワシ、サンマ、サバなどの魚の脂(EPA・DHA)
   L一価不飽和脂肪酸・・・・・オリーブオイル・なたね油など
   L多価不飽和脂肪酸
      Ln-6系多価不飽和脂肪酸・・・・大豆油・コーン油など
      Ln-3系多価不飽和脂肪酸・・・・魚油・えごま油・亜麻仁油など

 

なぜここまで細かい分類まで脂質の種類ご紹介するかというと、中性脂肪を下げたい方の食事には、「多価不飽和脂肪酸」の中でも、最後に挙げた「n-3系多価不飽和脂肪酸」が重要なポイントになるからです。

 

「n-3系多価不飽和脂肪酸」には、血中の中性脂肪を下げる働きがあるのです。

 

●飽和脂肪酸を控える理由

 

なぜ、お肉やバターなどの飽和脂肪酸(動物性脂肪)を多く摂りすぎるのが良くないのかというと、中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールを増やしてしまうからです。

 

よって、中性脂肪対策の食事として考えると、飽和脂肪酸を多く含む食品を摂りすぎないようにした方が良いということになります。

 

ちなみに、「多く摂りすぎるのが良くない」のであって、お肉や乳製品を食べてはいけないと言っている訳ではありません。

 

飽和脂肪酸を摂る量を控える為には、お肉でいえば、脂身の少ない部位を選ぶ、脂身を取り除いて調理したり、一日に食べるのを1回だけにするなどの方法があります。

 

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、飽和脂肪酸は1日に摂るエネルギー摂取量の7%以下(18歳以上の成人男女)とすることを勧めています。

 

●不飽和脂肪酸、特にn-3系脂肪酸を積極的に摂ろう

脂質では多めに摂った方が良い不飽和脂肪酸ですが、その理由はn-3系多価不飽和脂肪酸は血中の中性脂肪を下げるはたらきがあります。

 

よって、中性脂肪が高めの方はn-3系多価不飽和脂肪酸を積極的に摂ることをおすすめします。

 

n-3系多価不飽和脂肪酸には、魚類、特に青魚に多く含まれる「EPA(エイコサペンタエン酸)」「DHA(ドコサヘキサエン酸)」、えごま油や亜麻仁油に多く含まれる「α-リノレン酸」などがあります。

 

その中でも、体内で良い働きをすることが認められているが「EPA(エイコサペンタエン酸)」と「DHA(ドコサヘキサエン酸)」です。

 

n-3系多価不飽和脂肪酸のEPAとDHA

 

「EPA」と「DHA」は、イワシ、サバ、サンマなどの青魚(青い背の魚)やマグロの脂身等に豊富です多く含まれる脂肪酸です。

 

「EPA」と「DHA」は消化吸収率が高いのも特徴です。

 

最初に「お魚中心の食事にするといいですよ」と言った根拠はここにあります。最低でも1日1回はお魚を食事に取り入れましょう。

 

では、どんなお魚を食べればEPAとDHAを摂ることができるのでしょうか?

 

魚の油には必ずEPAとDHAの両方が入っていますので、EPAが多いお魚を食べればDHAも十分に摂取することができます。

 

EPAが多く含まれるお魚は以下の通りです。スーパーなどで普通に手に入りやすいお魚ですね。

 

・EPAが多く摂れる魚の例

  • イワシ
  • 本マグロ(トロ)
  • サバ
  • まだい
  • ブリ
  • サンマ
  • さけ
  • アジ

 

旬のお魚は脂が乗っていておいしいですよね。鮮度が良くて、旬の時期のお魚には多くのEPAが含まれているので、食べ方も工夫して積極的に食べましょう。

 

ちなみに、お魚を食べることは、日本動脈硬化学会が発行している「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療のエッセンス」で、高トリグリセリド血症(高TG血症)を改善する食事療法として「n-3系多価不飽和脂肪酸を多く含む魚類の摂取を増やす」と記載されています。

 

尚、不飽和脂肪酸は、n-3系多価不飽和脂肪酸だけでなく、n-6系多価不飽和脂肪酸も併せて摂ることが勧められています。

 

n-6系多価不飽和脂肪酸は、リノール酸などがあり、大豆油やコーン油などに多く含まれています。

 

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不飽和脂肪酸はどれぐらい取ればいい?

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、n-3系多価不飽和脂肪酸とn-6系多価不飽和脂肪酸の目安量が定められています。

 

●n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取目安量(1日あたり)
 年齢   男性  女性
18〜29  2.0g  1.6g
30〜49  2.1g  1.6g
50〜69  2.4g  2.0g
70以上  2.2g  1.9g

*「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から抜粋

 

●n-6系多価不飽和脂肪酸の摂取目安量(1日あたり)
 年齢   男性  女性
18〜29  2.0g   1.6g
30〜49  2.1g   1.6g
50〜69  2.4g   2.0g
70以上  2.2g   1.9g

*「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から抜粋

 

普段の生活で、なかなかグラム単位で量を計ることは難しいですよね。

 

どの魚をどれぐらいの量食べれば良いのかについては、「中性脂肪を下げる食品を食事に取り入れよう」をご覧ください。

 

基本的には、1日1回はお魚のおかずの和食にしていくと良いでしょう。

 

 

食物繊維をしっかり摂る

 

食物繊維が豊富な野菜

 

食物繊維には、腸内で中性脂肪やコレステロールの吸収を妨げて、体の外に排出する働きがあります。

 

ですから、食事に積極的に取り入れたい栄養素の一つです。

 

特に、中性脂肪とLDLコレステロールの値が両方高い方は、しっかり摂ることを心がけましょう。

 

食物繊維が多い食べ物

食物繊維は、野菜類、豆類、海藻類、きのこ類、雑穀などに多く含まれています。

 

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。

 

水溶性食物繊維は、リンゴなどの果物や野菜類、わかめなどの海藻類に多く含まれています。

 

不溶性食物繊維は、野菜類やきのこ類、穀類、豆類、穀類などに多く含まれています。

 

食物繊維が多い食品にはどんなものがあるのかもっとお知りになりたい方は、文部科学省の食品成分データベースで調べることができます。

 

また、食品成分ランキングで、食物繊維の多い食品のランキングを調べることができます。
http://fooddb.mext.go.jp/index.pl

 

食物繊維はどれぐらい摂ればいいの?

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、食物繊維は一日24g以上摂るのが理想的だとしています。

 

しかし、平成22 年、23 年国民健康・栄養調査の結果に基づく日本人の食物繊維摂取量を見ると、実際には日本人の食物繊維摂取量は24gには全然足りておらず、約半分以下の量しか摂取できていない状況です。

 

そこで、実現可能な量として、食物繊維の摂取目標量が定められてました。18?69歳の成人男性では20g以上、女性では18g以上です。

 

●食物繊維の食事摂取基準(1日あたり)
 年齢   男性     女性
18〜29  20g以上   18g以上
30〜49  20g以上   18g以上
50〜69  20g以上   18g以上
70以上  19g以上   17g以上

*「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から抜粋

 

これまで通りの食事内容ですと食物繊維が不足している可能性が高いといえます。

 

理想的な量とされている24g以上を摂れるよう、当サイトのレシピを参考にしてたっぷり&しっかり摂るようにしましょう。

 

詳しくは「中性脂肪を下げる食品を食事に取り入れよう」をご覧ください。

 

 

糖質を控える

 

糖質を多く含む甘い食べ物や炭水化物

 

糖質を多く摂り過ぎると中性脂肪が高くなります。

 

糖質というと砂糖を使った甘いお菓子やジュースなどを思い浮かべると思いますが、それだけではありません。甘い果物にも糖質が含まれています。

 

そして、主食として食べる穀類、つまり、ごはん(白米)、麺類、パンなども糖質が多く含まれています。

 

したがって、このような糖質が多い食べ物は減らす必要があります。

 

注意して頂きたいのは、食べてはいけないということではありません。

 

中性脂肪は余分な糖質が変化したものなので、余分な「摂り過ぎ」が良くないということを忘れないで下さい。

 

摂り過ぎない為には、健康を第一にどれから減らすかと考えれば、お菓子やジュースから減らす方がいいですよね。

 

私の場合は、 ケーキやお菓子などの甘い物は食べなくても平気なのですが、ごはんや麺類は大好きで、大盛り&おかわりは当たり前でした(苦笑)。

 

でも中性脂肪の値が高くなってからは泣く泣くやめました。これは辛かったですね・・・慣れましたけど。

 

 

アルコールを控える

 

中性脂肪が高い人は禁酒

 

お酒好きな方にとっては大変つらいお話しですが、中性脂肪が高い方はアルコールを控えなければいけません。

 

アルコールは中性脂肪を増加させるからです。

 

アルコールが中性脂肪を増やす理由ですが、アルコール自体が体内で中性脂肪に変化するということではありません。

 

アルコールが肝臓で分解される際に、脂肪の合成を進める酵素を発生させてしまうため、中性脂肪の合成が促進されてしまうのです。

 

ただ、私もお酒を飲むのが好きなので、「アルコールを控える」という意味が、減らせば良いのか、それとも飲んではいけないのか非常に気になって調べたことがあります。

 

ということで、今回もいろいろ調べてみたのですが、厚生労働省のサイトには『高カイロミクロン血症の場合は禁酒です。』『中性脂肪が高い人は禁酒です。』とありました。

 

しかも、お酒の種類にかかわらずダメということです。やはりアルコールを摂ることが良くないようです。

 

中性脂肪が高い方はお酒は我慢しましょう。